も
言わずに
家を
出て
こんなとこまで
来たけれど
日暮れとともに
泣き
虫が
心細いとべそをかく
赤く
染まる
町の
空を
カラスが
鳴いて
行きすぎる
道に
伸びる
長い
影が
早く
帰ろと
袖を
引く
お
魚を
焼く
匂い
晩ご
飯のいい
匂い
お
腹の
虫も
鳴き
出した
意地をはるのも
飽きてきた
今すぐごめんと
謝って
早くおうちに
帰りたい
行くあてのないぼくの
前を
子どもが1
人行きすぎる
鼻をすすりしゃくりあげて
脇目もふらず
走ってく
闇に
消えてく
背中
あの
日のぼくに
似ている
走れ
走れ
涙拭いて
欠けたお
月さん
追いかけて
今すぐごめんと
謝れば
晩ご
飯には
間に
合うさ
お
魚を
焼く
匂い
晩ご
飯のいい
匂い
お
腹の
虫も
鳴き
出した
意地をはるのも
飽きてきた
今すぐごめんと
謝って
早くおうちに
帰りたい